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【入管の審査が厳格化?!】コンビニにおける外国人雇用の今後と対策

昨今、コンビニエンスストア(以下、コンビニ)において「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で外国人を雇用する際のビザ申請に関して、出入国在留管理庁(以下、入管)の審査が非常に慎重になっていると感じることはありませんか?

この記事では、多くのコンビニ経営者様や採用担当者様が直面している課題の背景と、今後求められる具体的な対策について詳しく解説します。


増える資料提出通知、問われる業務の「実態」


最近のビザ申請実務において、以前よりも入管からの資料提出通知の回数が増え、その内容もより具体的かつ詳細な説明を求められる傾向が強まっています。

特に、以下のような点について、客観的な資料に基づいた説明を求められるケースが顕著です。

  • 従事する業務内容の詳細: どのような専門的業務に、どの程度の時間を割くのか。

  • キャリアパス: 採用後の昇進や役割の変化、それに伴う具体的な計画。

  • 業務の証明: 実際に専門的業務に従事している、またはこれから従事することが明確にわかるスケジュールやシフト表。

私たちは、不法就労への加担や誘発を防ぐため、業務内容がレジ打ちや商品陳列といった単純労働がメインとなる場合は申請をお断りし、適法性が確認できる案件のみを取り扱っています。しかし、それでもなお、非常に詳細な説明を求められる現状に、申請へのためらいや強い危惧感を抱かざるを得ない状況です。


なぜコンビニでの申請は難しいのか?「単純労働」という先入観


コンビニの業務というと、多くの方がレジ打ちや商品陳列を思い浮かべるでしょう。この「コンビニ=単純労働」というイメージが、入管の審査においても大きな壁となっています。

しかし、実際のコンビニ経営は、単なる作業の繰り返しではありません。特に利益率が低いビジネスモデルであるからこそ、データに基づいた緻密な戦略が不可欠です。

  • データ分析: 天気、曜日、時間帯による売上変動や売れ筋商品をデータで把握・分析する。

  • 戦略立案: 分析結果に基づき、商品陳列の最適化や発注数を調整し、販売機会の最大化と食品ロス率の低減を図る。

  • 業務改善: 立てた戦略を実行し、その結果を検証して次の改善につなげる(PDCAサイクル)。

これらは、まさしく「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が想定する、専門的な知識や分析能力を要するマネジメント業務そのものです。問題は、この**「見えにくいマネジメント業務」をいかに客観的な証拠をもって立証できるか**にあります。


【重要】審査の疑義を払拭するための3つの立証ポイント


申請内容が事実であり、単純労働がメインではないことを入管に理解してもらうためには、以下の3つのポイントを積極的に説明し、資料として提出することが極めて重要です。


1.シフトの明確な差別化

他のアルバイトスタッフと同じようなシフトに入っていませんか? マネジメント業務に従事するのであれば、その業務に集中できる時間が確保されている必要があります。レジの繁忙時間帯を避け、バックオフィスでの分析や戦略立案に時間を割いていることがわかるシフト表を提示し、他のスタッフとの役割の違いを明確にしましょう。


2.マネジメント業務を行う物理的な場所の確保

データ分析や発注計画、スタッフの教育計画などをどこで行っていますか? バックヤードに専用のデスクやPCが設置されているなど、マネジメント業務に集中できる物理的な環境が確保されていることを写真等で示すことも有効です。


3.第三者にもわかるキャリアパスと賃金体系の整備

採用する外国人がどのようなキャリアを歩むのか、その業務内容と責任に応じて、どのように賃金が支払われるのかを明確に規定しましょう。役職、業務内容、賃金が連動した、透明性の高いキャリアパス・賃金体系が整備されていることは、専門的業務に従事させることの信憑性を高める上で非常に重要です。


「在留期間1年」は危険信号!実地調査のリスクも


もし、ビザ更新の際に在留期間が継続して「1年」で決定されている事業所があれば、特に注意が必要です。

在留期間が1年となる理由は様々ですが、多くの場合、「その業務の継続性や信憑性に疑義がある」と入管が判断しているサインです。審査書類だけでは疑義が晴れない場合、次に行われるのは店舗への実地調査です。

調査の結果、申請内容と業務の実態が異なると判断されれば、不法就労助長罪や資格外活動罪として、会社の代表者、店舗責任者、採用担当者が逮捕されるという最悪の事態も起こり得ます。くれぐれも虚偽の内容で申請することだけは絶対に避けてください。


まとめ


コンビニにおける外国人雇用、特に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格での申請は、年々ハードルが上がっています。しかし、事業に不可欠な専門的人材を適正に雇用することは可能です。

重要なのは、「単純労働ではない」という事実を、客観的かつ具体的な資料をもって粘り強く説明し、入管の理解を得ることです。

コンビニ経営において外国人の雇用でお困りの方、ビザ申請に不安を感じている方は、深刻な事態に陥る前に、ぜひ一度弊社にご相談ください。専門家の知見を活かし、貴社の状況に合わせた最適なサポートをご提供いたします。

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