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その指導、パワハラかも?外国人部下との信頼関係を築くマネジメント術

① このようなことで困ったことはありませんか?

「熱心に指導しているつもりが、外国人部下からは『厳しすぎる』『パワハラだ』と反発されてしまった」「部下のミスをチーム全体の前で指摘したら、翌日から口をきいてくれなくなった」。良かれと思っての指導が、なぜか裏目に出てしまう。そんな経験に、頭を悩ませる管理職の方は少なくありません。


② このような事が原因かも?

このすれ違いの根底には、「指導」や「フィードバック」に対する文化的な価値観の違いがあります。日本では、上司が部下を厳しく指導することや、人前で叱責することが、成長を促す「愛のムチ」として、ある程度許容されてきました。しかし、多くの国では、個人の尊厳や「面子(メンツ)」を非常に重んじるため、人前での叱責は、相手に耐え難い屈辱を与える行為と見なされます 。また、結果だけでなくプロセスや努力を評価する日本的なやり方も、成果主義の文化で育った部下には、評価基準が曖昧で不公平だと感じられることがあります。この「当たり前」の違いが、上司の意図とは全く異なるメッセージとして伝わってしまうのです。


③ その解決方法とは

外国人部下との信頼関係を築くマネジメントの基本は、「リスペクト(尊重)」と「クリア(明確さ)」です。まず、フィードバックは、必ず1対1のプライベートな場で行いましょう。その際、いきなり問題点を指摘するのではなく、「〇〇の点は、いつも正確で助かっているよ」といったポジティブな点から伝え、相手が安心して話を聞ける雰囲気を作ることが重要です。改善点を伝えるときも、「なぜダメなんだ」と感情的に叱るのではなく、「この部分をこう改善すれば、もっと良くなると思う」と、具体的な行動レベルで、建設的にアドバイスします。そして、指示や期待する役割は、曖昧な表現を避け、常に明確な言葉で伝えること。こうした丁寧なコミュニケーションの積み重ねが、文化の壁を越えた信頼関係を育みます。


④ 原因と解決策のまとめ

原因

解決策

1. 人前での叱責が、相手の尊厳を著しく傷つけてしまう

1. フィードバックや指導は、必ず1対1のプライベートな場で行う

2. 感情的な叱責が、パワハラと受け取られてしまう

2. 人格否定ではなく、具体的な「行動」に焦点を当てて、建設的に伝える

3. 指示や期待する役割が曖昧で、部下が混乱している

3. 期待する成果や役割を、曖昧さを排して明確な言葉で伝える

4. ポジティブなフィードバックが不足し、モチベーションが低下している

4. 良かった点を具体的に褒めることで、相手の貢献を認め、信頼関係を築く


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