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その在留カード、本物ですか?これって不法就労?!注意が必要なケース

例えば、こんなことはないでしょうか。


外国人を採用する際、提示された在留カードを見て、顔写真と本人が一致すること、氏名や生年月日、在留期間の満了日などを確認し、問題ないと判断してコピーを保管した。カードにはホログラムもあり、一見して本物のように見えた 。   



それって実は不法就労の可能性があります。


その確認方法では、もはや十分とは言えません。近年、在留カードの偽造・変造技術は著しく向上しており、目視だけでは真贋の判断が極めて困難な「スーパーコピー」が出回っています。特に悪質なのは、失効した本物の在留カードから抜き取った正規のカード番号を使い、顔写真や氏名を別人に入れ替えるといった手口です 。   


このような精巧な偽造カードに騙され、不法滞在者などを雇用してしまった場合、企業側は「偽造とは知らなかった」と主張しても、確認義務を十分に果たさなかった「過失」を問われ、不法就労助長罪が適用される可能性が十分にあります 。出入国在留管理庁が無料で提供している確認ツールを使わなかったこと自体が、過失と判断されるリスク要因となるのです。   



不法就労を防ぐためには


偽造在留カードによる不法就労リスクを回避するためには、第一部でも解説した「三段階確認法」の、特にデジタルツールを活用した第二段階、第三段階の確認を必須の社内ルールとしなければなりません。

  1. 【必須】失効情報照会サイトの利用: 採用前確認の際、目視と同時に、必ず出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」ウェブサイトにアクセスします。カードに記載された番号と有効期限を入力し、そのカードが失効していないか(有効なカードとして登録されているか)を確認します 。   


  2. 【推奨・最強の防御策】公式読取アプリの活用: 最も確実な方法は、出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」をスマートフォンにインストールし、在留カードのICチップを読み取ることです 。このアプリは、ICチップに記録された改ざん不可能な顔写真データや文字情報を画面に表示します。券面の顔写真とアプリで表示された顔写真が一致し、文字情報も券面と相違なければ、そのカードは真正であると高い確度で判断できます。   


  3. 確認プロセスの記録: これらの確認作業を行った日時、担当者、確認結果(サイトのスクリーンショットやアプリの確認画面など)を記録として残しておくことが重要です。万が一の調査の際に、企業として最大限の注意義務を果たしたことの客観的な証拠となります。

在留カードの確認は、もはや性善説に立てる時代ではありません。「疑ってかかる」姿勢で、公的ツールを用いた徹底的な検証を行うことこそが、現代の雇用主の責任です。

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