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その「当たり前」、通用しない?文化の違いからくるトラブル回避術

① このようなことで困ったことはありませんか?

「時間を守らない」「挨拶をしない」「会議で空気を読まずに反対意見ばかり言う」。外国人社員のこうした行動に、イライラしたり、戸惑ったりした経験はありませんか。しかし、彼らの行動は、悪意からではなく、文化的な「当たり前」の違いから生じていることがほとんどです。この違いを理解せず、「日本の常識」を一方的に押し付けると、深刻な人間関係のトラブルに発展し、働きにくい労働環境を生み出してしまいます。


② このような事が原因かも?

トラブルの根源は、お互いの文化的な価値観への無理解にあります。例えば、時間にルーズに見える行動も、複数の物事を同時に進めるのが得意な「ポリクロニック文化」の国の人にとっては、自然なことかもしれません。挨拶の仕方も、お辞儀を重視する日本とは異なり、フランクな握手やハグが一般的な国もあります。会議での直接的な意見表明も、議論を活性化させる良いことと捉える文化圏では、むしろ推奨される行動です 3。こうした背景を知らずに、表面的な行動だけで相手を「常識がない」と判断してしまうことが、コミュニケーション不足と相互不信を招くのです。


③ その解決方法とは

異文化トラブルを回避する第一歩は、「自分たちの常識は、世界の非常識かもしれない」と認識することです。その上で、会社として守ってほしい最低限のルール(始業時間の厳守、ハラスメントの禁止など)は、なぜそれが必要なのかという理由と共に、就業規則などで明確に伝えましょう。それ以外の、仕事の進め方やコミュニケーションのスタイルについては、一方的に日本のやり方を押し付けるのではなく、お互いのやり方の良いところを取り入れ、チームとして最適な方法を見つけていく姿勢が重要です。異文化理解研修などを通じて、お互いの文化を学び合う機会を設けることも、相互尊重の精神を育む上で非常に効果的です 。


④ 原因と解決策のまとめ

原因

解決策

1. 時間感覚や挨拶など、ビジネスマナーに関する「常識」の違い

1. 守ってほしいコアなルールは明文化し、その理由も合わせて説明する

2. 意見表明や意思決定のプロセスに関する文化的なスタイルの違い

2. 日本のやり方を一方的に押し付けず、チームで最適な方法を模索する

3. 相手の文化への無理解からくる、一方的な決めつけや誤解

3. 異文化理解研修などを実施し、多様な価値観を学ぶ機会を設ける

4. コミュニケーション不足による、相互不信の増大

4. 仕事以外の雑談や交流の機会を増やし、人間的な信頼関係を構築する


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