「企業内転勤2号完全ガイド」第5回:【最重要書類】申請の成否を分ける「育成計画書」の作り方【テンプレートと記入例付き】
- takeshi kawamoto
- 7月31日
- 読了時間: 2分
「企業内転勤2号」の申請において、その成否を分ける最も重要な書類が「育成計画書」です。このビザの目的が「技能の習得」であるため、その計画の具体性と合理性が審査の最大の焦点となります 。
なぜ「育成計画書」が重要なのか?
「技術・人文知識・国際業務」ビザでは「雇用契約書」が職務内容を定義しますが、「企業内転勤2号」では「育成計画書」がその役割を担います。入国審査官は、この計画書を見て、申請が単なる労働力確保のための偽装ではなく、正当な育成目的であるかを判断します。
育成計画書に盛り込むべき必須項目
質の高い育成計画書を作成するためには、以下の要素を網羅的かつ具体的に記述する必要があります。
育成の最終目標:
(例)「研修終了後、母国の工場で新設されるXXラインの品質管理責任者として、不良品率を5%以下に抑えることができる」
習得する技能:
(例)「精密部品の目視検査技術」「NC旋盤のプログラミング及び操作技術」「HACCPに基づいた衛生管理知識」
育成の具体的な内容と方法(OJTとOff-JT):
OJT: どの部署で、誰が(指導員名と役職)、何を、どのように教えるかを時系列で記述 。
Off-JT(座学): 関連知識を学ぶための社内講習や外部セミナーの計画。
育成スケジュール(段階的ステップアップ):
(例)1〜3ヶ月目:基礎知識の習得と安全教育。4〜9ヶ月目:指導員のもとで実践業務。10〜12ヶ月目:独力での業務遂行と成果報告。
指導体制:
育成責任者と各技能の指導担当者を明記。指導員が十分な経験と指導能力を持っていることを示す 。
進捗の評価方法:
(例)「月次の面談とレポート提出」「3ヶ月ごとの実技テスト」「最終成果発表会」
【記入例テンプレート】
期間 | 育成目標 | OJT内容(担当指導員) | Off-JT(座学)内容 | 評価方法 |
1-3ヶ月目 | 基本的な機械操作と安全手順の習得 | 安全教育、基本操作のデモと反復練習(指導員:山田太郎) | 製品知識研修、安全衛生講習 | 筆記テスト、操作チェックリスト |
4-9ヶ月目 | 応用的なプログラミングとトラブルシューティング能力の獲得 | 複雑な加工プログラムの作成、軽微なエラーへの対処(指導員:鈴木一郎) | 応用プログラミング講座 | 実技テスト、月次レポート |
10-12ヶ月目 | 自律的な品質管理と改善提案 | 担当ラインの品質データ分析と改善案の立案・実行 | 品質管理(QC)手法研修 | 最終成果発表、改善提案書の評価 |
注意点
単なる作業リストは「単純労働」と見なされる危険があります。「なぜその作業が必要か」「その作業を通じて何を学ぶのか」という育成の視点を常に明確にすることが、許可を得るための鍵です。
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