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特定技能と技人国が混在する業務は要注意

更新日:7月8日

在留資格「特定技能」と「技術・人文知識・国際業務」は、日本で働く外国人にとって重要な選択肢ですが、それぞれの特徴や要件、キャリアパスには明確な違いがあります。特に、単純労働が含まれる可能性のある職種においては、キャリアプランの明確化や業務内容の詳細な説明が求められるケースが増えています。以下に、入管庁が公開している情報をもとに、両者の違いをキャリアパスの観点から解説します。

在留資格「特定技能」とは

「特定技能」は、2019年に新設された在留資格で、人手不足が深刻な特定産業分野で一定の技能と日本語能力を持つ外国人を受け入れることを目的としています。対象となる分野は、介護、建設、農業、外食業など12分野に及びます。特定技能には1号と2号があり、1号は最長5年間の在留が可能で、家族の帯同は認められていません。2号は熟練した技能を持つ者が対象で、在留期間の更新が可能であり、家族の帯同も認められます。ただし、2号が適用される分野は限られています。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは

「技術・人文知識・国際業務」は、専門的な知識や技術を持つ外国人が、日本の企業や団体でその専門性を活かして働くための在留資格です。対象となる業務は、機械工学などの技術分野、法律や経済といった人文知識分野、通訳や翻訳などの国際業務分野に分類されます。取得には、関連する分野の大学卒業や専門学校修了、または一定の実務経験が必要です。在留期間は最長5年で、更新が可能であり、家族の帯同も認められています。

キャリアパスの観点からの違い

  1. 業務内容と専門性:

特定技能: 主に現場での作業やオペレーション業務が中心で、特定の技能や経験を活かして働きます。業務内容は比較的限定的で、専門性よりも実務的な技能が重視されます。

技術・人文知識・国際業務: 専門的な知識や技術を活かした業務に従事します。例えば、技術者としての設計業務や、経済学の知識を活かしたマーケティング業務など、専門性が高い職種が対象です。

  1. キャリアパスと昇進の可能性:

特定技能: 在留期間が最長5年と制限されており、長期的なキャリア形成には限界があります。また、家族の帯同が認められていないため、生活面での制約も考慮する必要があります。

技術・人文知識・国際業務: 在留期間の更新が可能であり、長期的な雇用や昇進のチャンスがあります。専門性を活かして管理職やリーダー職への昇進も期待でき、家族の帯同も可能なため、安定した生活基盤を築くことができます。

  1. 賃金と待遇:

特定技能: 賃金は日本人と同等以上と定められていますが、業務内容が現場作業中心であるため、給与水準は職種によって異なります。

技術・人文知識・国際業務: 専門的な知識や技術を提供するため、比較的高い給与水準が期待できます。また、昇進や昇給の機会も多く、キャリアアップに伴い待遇も向上します。

単純労働と在留資格の選択

単純労働が疑われる職種の場合、在留資格の選択には特に注意が必要です。「特定技能」は一定の技能を持つ作業者を対象としており、単純労働とみなされる業務でも認められる場合があります。一方、「技術・人文知識・国際業務」は専門的な知識や技術を要する業務が対象であり、単純労働は認められていません。そのため、業務内容が単純労働と判断される可能性がある場合は、「特定技能」の在留資格を検討することが適切です。

キャリアプランの明確化と申請時のポイント

在留資格の申請においては、以下の点が重要となります。

業務内容の詳細な説明: 職務内容が在留資格の要件に適合していることを明確に示す必要があります。特に、単純労働とみなされないよう、業務の専門性や必要な技能を具体的に説明することが求められます。

キャリアパスの提示: 採用後のキャリアプランを明示し、将来的な昇進や職務内容の発展性を示すことで、在留資格の取得がスムーズになります。

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