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日本語レベルの謎】「日常会話レベル」の基準が曖昧で、採用後のミスマッチが怖い…



「こんな困りごとありますよね。履歴書に書かれた『日本語:日常会話レベル』という自己申告。これを信じて採用したら、お客様への丁寧な言葉遣いができなかったり、バックヤードでの複雑な指示が理解できなかったり…。候補者と私たちが思う『日常会話』の尺度が違いすぎて、採用後の大きなギャップになってしまっている。」

この問題は、採用担当者と候補者の間で「日本語レベル」という言葉の定義が共有されていないために起こります。友人との会話のような「日常会話」と、ホテルでお客様を相手にする「業務上の会話」は全くの別物です。この認識のズレを防ぐには、「N1/N2」や「ビジネスレベル」といった曖昧なラベルで判断するのをやめ、「具体的に何ができるか(Can-do)」という業務基準の物差しを持つことが極めて重要になります。


効果的な解決方法


解決策は、まず社内で「ポジションごとに求められる日本語スキル」を具体的に定義し、共通言語化することです。「フロントスタッフなら、ここまで出来てほしい」「清掃スタッフなら、これが理解できればOK」という基準を明確にします。

その上で、選考プロセスにおいて、その「Can-do」を実際に確認できる仕組みを導入します。

  1. レベルの定義: 「日常会話レベル」ではなく、「お客様への道案内ができる」「予約電話の応対が一人でできる」といった具体的な行動リスト(Can-doリスト)を作成します。

  2. 多角的なスキルチェック: 面接での会話だけでなく、より実践的な場面を想定したテストを取り入れます。例えば、お客様からのメールへの返信を作成してもらう簡単な筆記テストや、電話応対のロールプレイングは非常に効果的です。

  3. 入社後のフォローを前提とする: 100%完璧な人材を求めるのではなく、「現時点ではここまでできる。残りは入社後の研修でここまで伸ばそう」という視点を持つことも大切です。採用基準に「学習意欲の高さ」といったポテンシャルの項目を加えることも有効です。


こうすれば解決できる!ポジション別 日本語スキル要件定義


以下の表は、ポジションごとに求められる日本語スキルを「Can-do(できること)」形式で定義し、それを選考でどう確認するかの具体例です。これをベースに、貴社独自の基準を作成してみてください。

ポジション

求められる日本語レベル(Can-doリストの例)

選考での確認方法

フロントスタッフ

・丁寧語、尊敬語、謙譲語を適切に使い分けられる。 ・予約受付や変更、キャンセルの電話応対が一人でできる。 ・お客様からのクレームの一次対応と、上長への正確な報告ができる。 ・周辺の観光情報や交通手段について、口頭で分かりやすく説明できる。

【必須】 ・接客ロールプレイング(チェックイン、予約電話など)・ケーススタディ質問(クレーム対応など) 【推奨】 ・Eメール作成テスト(お客様への案内メールなど)

レストラン(ホール)

・お客様から正確に注文を取ることができる。 ・メニュー内容やアレルギー情報について説明できる。 ・厨房スタッフに、お客様からの要望を正確に伝達できる。 ・お客様を席へ案内する際の、丁寧な言葉遣いができる。

【必須】 ・接客ロールプレイング(注文受け、メニュー説明) 【推奨】 ・簡単な漢字テスト(メニューに使われる食材名など)

調理スタッフ(キッチン)

・他の調理スタッフからの日本語での指示を正確に理解できる。 ・衛生管理に関するマニュアルや指示書を読んで理解できる。 ・食材の在庫状況などを、日本語で報告・相談できる。

【必須】 ・口頭での調理指示に対する理解度チェック 【推奨】 ・マニュアルの一部を読んでもらい、内容を質問する

客室清掃スタッフ

・リーダーからの清掃に関する指示(口頭・書面)を理解できる。 ・客室の不備や備品の不足について、所定のフォーマットで報告できる。 ・廊下などでお客様と会った際に、適切な挨拶ができる。

【必須】・具体的な清掃指示を出し、復唱してもらう。 ・簡単な報告書のサンプルを見せ、内容が理解できるか確認する。


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