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入管だけじゃない!労基調査がきっかけで不法就労に問われるケースも?!

更新日:7月8日

労基調査で発覚する不法就労の実態と企業のリスク

労働基準監督署(労基)の調査がきっかけで、不法就労が発覚するケースが増えています。本記事では、労基調査の流れ、不法就労が明るみに出る具体的なケース、企業がとるべき対策について解説します。

1. 労基調査のきっかけ

労基署が調査に入る理由はさまざまですが、主に以下のようなケースが挙げられます。

  • 労働者からの申告(内部告発)

  • 長時間労働や未払い賃金に関する通報

  • 労災事故の発生

  • 行政機関(入管や警察など)からの情報提供

  • 定期的な監査

労基署の調査は、主に労働条件や労働環境の適正化を目的としていますが、その過程で外国人労働者の雇用実態が調べられ、不法就労が発覚するケースもあります。

2. 不法就労が発覚する具体的なケース

(1) 在留資格外活動の発覚

  • 技能実習生や留学生が許可されていない業務に従事していた

  • 在留資格の範囲を超える労働時間で働いていた

(2) 不法滞在・無資格就労の発覚

  • 雇用契約書の確認中に、適法な在留資格を持っていないことが判明

  • 労働者が在留カードを提示できない

  • 企業が「請負契約」としていたが、実態は直接雇用に該当していた

(3) 労働条件違反の申告からの発覚

  • 未払い賃金や長時間労働の問題を労基署に申告

  • 調査を進めるうちに、不法就労の実態が明らかに

3. 発覚後の流れと企業のリスク

① 労基署から法務省(入管)への通報

  • 労基署は不法就労に関する取り締まり権限を持たないため、入管や警察へ情報提供を行う

② 入管・警察による捜査

  • 企業や労働者に対する事情聴取

  • 雇用主が「不法就労助長罪(入管法第73条の2)」に問われる可能性

③ 処分

  • 外国人労働者:退去強制、在留資格取消、最悪の場合は刑事処分

  • 雇用主:最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金

4. 具体的な事例

ケース①:技能実習生の違法就労

  • A社は技能実習生(建設業)を受け入れていたが、人手不足のため飲食店で勤務させていた。

  • 労基署の調査で、実習計画と異なる業務をしていたことが発覚。

  • 企業は不法就労助長罪に問われ、技能実習生は帰国処分となった。

ケース②:留学生のオーバーワーク

  • 飲食店で働く留学生Bが未払い賃金を申告。

  • 労基署の調査で、週28時間を超える労働が判明。

  • 入管へ情報提供され、Bは在留資格取消・退去強制。

ケース③:偽装請負による不法就労

  • C社は外国人労働者を「請負」として雇用し、在留資格を持たない者も勤務。

  • 労基署が労働実態を調査し、直接雇用とみなされたため不法就労が発覚。

  • C社は罰則を受け、外国人労働者は退去強制。

5. 企業がとるべき対策

  1. 外国人の在留資格を定期的に確認

    • 在留カードの有効期限チェック

    • 勤務内容が在留資格に適合しているか確認

  2. 雇用契約の適正化(派遣・請負関係の適法性チェック)

    • 実態が「請負契約」ではなく「雇用契約」になっていないか精査

    • 契約書の適正な作成と管理

  3. 労務管理の適正化(長時間労働・賃金支払いの適正化)

    • 労働時間管理を徹底し、違法な長時間労働を防ぐ

    • 賃金の未払いをなくし、適正な労働条件を確保

  4. 不法就労が発覚した場合、早期に専門家(行政書士・弁護士)へ相談

    • 自社のリスクを最小限に抑えるため、早急な対応が必要

まとめ

労基署の調査がきっかけで不法就労が発覚するケースは、企業の管理不足や労働環境の問題が背景にあることが多いです。企業としては、適正な外国人雇用管理を徹底し、不法就労リスクを回避することが重要です。労務管理とビザ管理を適切に行い、企業と外国人労働者が安心して働ける環境を整えましょう。

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