入管だけじゃない!労基調査がきっかけで不法就労に問われるケースも?!
- takeshi kawamoto
- 4月7日
- 読了時間: 3分
更新日:7月8日
労基調査で発覚する不法就労の実態と企業のリスク
労働基準監督署(労基)の調査がきっかけで、不法就労が発覚するケースが増えています。本記事では、労基調査の流れ、不法就労が明るみに出る具体的なケース、企業がとるべき対策について解説します。
1. 労基調査のきっかけ
労基署が調査に入る理由はさまざまですが、主に以下のようなケースが挙げられます。
労働者からの申告(内部告発)
長時間労働や未払い賃金に関する通報
労災事故の発生
行政機関(入管や警察など)からの情報提供
定期的な監査
労基署の調査は、主に労働条件や労働環境の適正化を目的としていますが、その過程で外国人労働者の雇用実態が調べられ、不法就労が発覚するケースもあります。
2. 不法就労が発覚する具体的なケース
(1) 在留資格外活動の発覚
技能実習生や留学生が許可されていない業務に従事していた
在留資格の範囲を超える労働時間で働いていた
(2) 不法滞在・無資格就労の発覚
雇用契約書の確認中に、適法な在留資格を持っていないことが判明
労働者が在留カードを提示できない
企業が「請負契約」としていたが、実態は直接雇用に該当していた
(3) 労働条件違反の申告からの発覚
未払い賃金や長時間労働の問題を労基署に申告
調査を進めるうちに、不法就労の実態が明らかに
3. 発覚後の流れと企業のリスク
① 労基署から法務省(入管)への通報
労基署は不法就労に関する取り締まり権限を持たないため、入管や警察へ情報提供を行う
② 入管・警察による捜査
企業や労働者に対する事情聴取
雇用主が「不法就労助長罪(入管法第73条の2)」に問われる可能性
③ 処分
外国人労働者:退去強制、在留資格取消、最悪の場合は刑事処分
雇用主:最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金
4. 具体的な事例
ケース①:技能実習生の違法就労
A社は技能実習生(建設業)を受け入れていたが、人手不足のため飲食店で勤務させていた。
労基署の調査で、実習計画と異なる業務をしていたことが発覚。
企業は不法就労助長罪に問われ、技能実習生は帰国処分となった。
ケース②:留学生のオーバーワーク
飲食店で働く留学生Bが未払い賃金を申告。
労基署の調査で、週28時間を超える労働が判明。
入管へ情報提供され、Bは在留資格取消・退去強制。
ケース③:偽装請負による不法就労
C社は外国人労働者を「請負」として雇用し、在留資格を持たない者も勤務。
労基署が労働実態を調査し、直接雇用とみなされたため不法就労が発覚。
C社は罰則を受け、外国人労働者は退去強制。
5. 企業がとるべき対策
外国人の在留資格を定期的に確認
在留カードの有効期限チェック
勤務内容が在留資格に適合しているか確認
雇用契約の適正化(派遣・請負関係の適法性チェック)
実態が「請負契約」ではなく「雇用契約」になっていないか精査
契約書の適正な作成と管理
労務管理の適正化(長時間労働・賃金支払いの適正化)
労働時間管理を徹底し、違法な長時間労働を防ぐ
賃金の未払いをなくし、適正な労働条件を確保
不法就労が発覚した場合、早期に専門家(行政書士・弁護士)へ相談
自社のリスクを最小限に抑えるため、早急な対応が必要
まとめ
労基署の調査がきっかけで不法就労が発覚するケースは、企業の管理不足や労働環境の問題が背景にあることが多いです。企業としては、適正な外国人雇用管理を徹底し、不法就労リスクを回避することが重要です。労務管理とビザ管理を適切に行い、企業と外国人労働者が安心して働ける環境を整えましょう。
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