もう「失踪」させない!技能実習制度の問題点と、企業ができる予防策
- takeshi kawamoto
- 7月18日
- 読了時間: 2分
① このようなことで困ったことはありませんか?
「真面目に働いていたはずの技能実習生が、突然いなくなってしまった」。技能実習生の失踪は、受け入れ企業にとって深刻な問題です。2019年には約5,000人もの実習生が失踪しており、その背景には根深い問題が横たわっています 。単に「本人の責任」で片付けてしまうと、問題は解決せず、同じ過ちを繰り返すことになりかねません。
② このような事が原因かも?
技能実習生が失踪する最大の原因は、来日前に母国の送り出し機関に支払う高額な手数料と、来日後の劣悪な労働環境にあります 。多額の借金を背負って来日したにもかかわらず、約束と違う低賃金や長時間労働、暴力やパワハラが待っている。しかし、原則転職ができないため、この苦しい状況から逃れる術がない。こうした絶望的な状況が、彼らを「失踪」という最後の手段に追い込んでいるのです。また、言葉の壁によるコミュニケーション不足が、孤立感や不信感を増幅させ、問題をさらに深刻化させています 。
③ その解決方法とは
失踪を防ぐために企業ができることは、彼らを「実習生」としてではなく、一人の「労働者」として尊重し、人権を守ることです。まず、労働基準法を遵守し、最低賃金以上の給与と残業代をきちんと支払うこと。これは大前提です 。次に、安全な労働環境を確保し、暴力やハラスメントは絶対に許さないという毅然とした態度を示すことが重要です。そして、定期的な面談を通じて、彼らの悩みや不満に耳を傾け、孤立させないためのコミュニケーションを密に取ること 。言葉が通じなくても、気にかけているという姿勢は必ず伝わります。こうした地道な信頼関係の構築こそが、最も有効な失踪の予防策なのです。
④ 原因と解決策のまとめ
原因 | 解決策 |
1. 高額な借金と、来日後の低賃金・長時間労働 | 1. 労働基準法を遵守し、適正な賃金と労働時間を保証する |
2. 暴力やパワハラなどの人権侵害 | 2. ハラスメントを許さない職場風土を作り、相談窓口を設置する |
3. 言葉の壁によるコミュニケーション不足と孤立感 | 3. 定期的な面談を実施し、通訳を介してでも意思疎通を図る努力をする |
4. 転職ができないという制度上の閉塞感 | 4. 育成就労制度への移行を見据え、スキルアップやキャリア形成を支援する |
コメント