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その「はい」、本当に理解の「Yes」?外国人社員との報連相トラブル

① このようなことで困ったことはありませんか?

「『はい、分かりました』と元気に返事をしたのに、全く報告が上がってこない」「問題が大きくなってから初めて相談され、もっと早く言ってくれれば…と頭を抱えた」。日本のビジネスの基本である「報連相」が、外国人社員との間でうまく機能せず、困った経験はありませんか。このすれ違いは、単なる個人の性格の問題ではなく、根深い文化の違いに起因している可能性があります。


② このような事が原因かも?

多くの外国人社員にとって、「報連相」は日本特有の非常にユニークな習慣です。海外の多くの職場では、一度任された仕事は個人の責任において完結させることが求められ、細かく進捗を報告することは「上司を信頼していない」「自分の能力が低い」と見なされかねません 3。また、日本語の「はい」は、必ずしも「I understand(理解しました)」を意味するわけではなく、「I'm listening(聞いています)」という相槌として使われることが多いため、日本側が「理解した」と誤解してしまうケースも頻発します。この文化的な背景と、言語のニュアンスの違いが、報連相トラブルの大きな原因となっているのです。


③ その解決方法とは

解決策は、「報連相」を暗黙の了解から、具体的な業務ルールへと変えることです。まず、なぜ報連相が重要なのか、その目的(リスクの早期発見、チームでの情報共有など)を丁寧に説明しましょう。その上で、「何を」「いつ」「誰に」「どのように」報告・連絡・相談するのかを、チェックリストやフローチャートを使って具体的に明示します。「毎日終業時にチャットで進捗を報告する」「判断に迷ったら30分以内にリーダーに相談する」など、行動レベルまで落とし込むことが重要です。また、報告しやすい雰囲気を作るために、上司から積極的に「何か困っていることはない?」と声をかけるなど、双方向のコミュニケーションを心がけることが、信頼関係の構築につながります。


④ 原因と解決策のまとめ

原因

解決策

1. 報連相が日本特有のビジネス文化であることへの無理解

1. 報連相の目的とメリットを具体的に説明し、なぜ必要なのかを理解してもらう

2. 「はい」という返事を「理解」のサインだと誤解してしまう


3. 報告のタイミングや方法が分からず、後回しにしてしまう

3. 報告のタイミング・手段(日報、定例MTGなど)を具体的にルール化する

4. 自分で解決しようと問題を抱え込んでしまう文化的な背景

4. 「早めの相談は良いこと」という文化を醸成し、心理的安全性を確保する


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