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【給与への不満】日本の給与体系や昇給システムへの理解が得られず、不満が出やすい…

「こんな困りごとありますよね。評価面談で、外国人スタッフから『今回の私の評価はSでした。素晴らしい成果を出したのですから、来年の給料は10%上げてほしいです』と、具体的な昇給額を交渉される。日本の年功序列的な要素も残る給与体系や、定期昇給の仕組みをうまく説明できない。『会社の業績と、君のこれまでの頑張りを総合的に判断して決まります』といった曖昧な返答しかできず、相手は『評価と給与が連動していない』と強い不満と不信感を抱いてしまう。」

この問題は、日本と海外の**「給与に対する価値観の根本的な違い」から生じます。多くの国では、給与は「そのポジション(職務)の市場価値」で決まる『職務給(ジョブ型)』が主流です。一方、日本は長らく、その人の「能力や経験年数」で決まる『職能給(メンバーシップ型)』が中心でした。外国人スタッフは、自分の「成果」がダイレクトに「給与」に反映されることを期待しますが、日本の給与体系は必ずしもそうなっていません。この構造的な違いを理解し、自社の給与ルールを「見える化」して、透明性高く説明すること**が、不毛な対立を避ける唯一の方法です。


効果的な解決方法


給与に関する不満や不信感は、モチベーション低下と離職に直結します。「ブラックボックス」になりがちな給与の仕組みを、オープンでフェアなものに変えていきましょう。

  1. 給与テーブル(等級・号俸表)を作成し、公開する: 誰が、どの役職で、いくらくらいの給与なのかが分かる一覧表を作成し、全従業員に公開します。これが透明性確保の第一歩です。

    • 等級(グレード)の設定:「一般職」「リーダー職」「管理職」など、役割や責任に応じた等級を設定します。

    • 給与レンジの明記: 各等級ごとに、給与の上限と下限(例:リーダー職 / 35万円〜45万円)を明確にします。これにより、従業員は自分の今の給与レベルと、将来の伸びしろを客観的に把握できます。

  2. 「昇給」と「昇格」の違いを明確に説明する: これが最も重要なポイントです。「給料が上がる」には2種類あることを、図などを使って分かりやすく説明しましょう。

    • 昇給(年次評価によるUP): 同じ等級の中で、毎年少しずつ給与が上がること。「あなたの評価がSだったので、同じ等級の中で、来年は〇%給与が上がります」

    • 昇格(等級が上がることによるUP): 一つ上の等級に上がることで、給与レンジが大きく上がること。「あなたの評価と経験を鑑み、来期からリーダー職に昇格します。これにより、あなたの給与は△△円になります」 この違いを理解してもらえれば、「評価が良くても、給料が少ししか上がらない」という不満は、「なるほど、大きく上げるには昇格が必要なのか」という納得に変わります。

  3. 給与明細の「内訳」を丁寧に説明する: 日本の給与は、「基本給」以外に様々な手当が含まれ、複雑です。内訳を丁寧に説明し、会社が本人に支払っている総額(年収)を意識してもらうことも大切です。

    • 例: 基本給、役職手当、資格手当、時間外手当、通勤手当、そして賞与(ボーナス)など。「賞与は、個人の評価だけでなく、ホテル全体の業績によって変動するものです」といった説明も不可欠です。


こうすれば解決できる!グローバル対応の給与・昇給説明ガイド


以下の表は、外国人スタッフの給与に関する疑問や不満に、透明性をもって答えるためのポイントをまとめたものです。

課題

原因・背景

解決アプローチ

具体的なアクション・説明のポイント

① 評価と給与が連動していないと感じる

・日本の「職能給」と海外の「職務給」の考え方の違い。 「昇給」と「昇格」の違いが理解されていない。

給与決定プロセスの「見える化」

【説明のポイント】「昇給」(同じ等級内での評価に応じたUP)と**「昇格」**(等級が上がることによる大幅UP)の違いを、図を使って明確に説明する。・「良い評価は、まず賞与(ボーナス)に大きく反映されます」と伝える。

② 昇給額の少なさに不満を持つ

・海外の転職市場のような、大幅なベースアップを期待している。

給与テーブルの公開と客観的な基準の提示

【説明のポイント】・自社の給与テーブルを見せ、「あなたの現在の等級の給与レンジは〇円〜〇円です。今回の昇給で、レンジ内のこの位置に来ました」と客観的に示す。

③ 将来の年収やキャリアが予測できない

・給与体系がブラックボックス化しており、将来設計ができない。

キャリアパスと給与の連動性の明示

【説明のポイント】・「もしあなたが1つ上の等級に**昇格**すれば、給与レンジは△円〜△円になります。そのために必要なスキルは〇〇です」と、キャリアパスと給与を結びつけて具体的に話す。

④ 手当や税金の仕組みが複雑で分からない

・日本の複雑な給与・税制への知識不足。

給与明細の丁寧な解説

【具体的なアクション】・入社時や評価面談時に、給与明細のサンプルを使い、「基本給」「各種手当」「社会保険料控除」などの各項目を一つひとつ丁寧に説明する。


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