【日本人社員との溝】言葉の壁から、日本人社員との間に見えない溝ができてしまっている…
- takeshi kawamoto
- 7月9日
- 読了時間: 4分
「こんな困りごとありますよね。ふとバックヤードを見渡すと、日本人社員は日本人同士、外国人社員は同じ国籍の者同士で固まって話している。業務上の最低限の会話はあっても、それ以上の雑談やプライベートな交流が全く生まれない。言葉の壁が見えない心の壁となり、お互いに気を遣いすぎた結果、かえって深い溝ができてしまっている…。」
この「見えない溝」は、放置すればチームのパフォーマンス低下や離職に直結しかねない深刻な問題です。そして、この溝は**自然に埋まることは決してありません。会社が意図的に「交流のきっかけ」と「相互理解の機会」**を設計し、文化の架け橋となる施策を打つことが不可欠です。重要なのは、外国人社員に「日本のやり方に合わせろ」と求めるだけでなく、日本人社員側も歩み寄り、共に新しいチーム文化を創り上げていくという、双方向のアプローチです。
効果的な解決方法
「見えない溝」を埋めるには、言葉の壁だけでなく、その奥にある文化や心理的な壁にもアプローチする必要があります。
日本人社員への「インプット」を: 問題は外国人社員側だけにあるのではありません。受け入れる側の日本人社員の意識とスキルを高めることが、すべての土台となります。
異文化理解研修: 外国人社員向けだけでなく、日本人社員、特にマネージャー層を対象に実施します。「報連相」の捉え方や「ハイコンテクスト/ローコンテクスト」など、コミュニケーションスタイルの違いを学ぶだけで、相手の言動に対する見方が大きく変わります。
「やさしい日本語」トレーニング: 外国語を話せなくても、思いやりは伝えられます。「一文を短く」「カタカナ語を避ける」「結論から話す」といった、誰でもできる簡単な日本語のコツを共有し、コミュニケーションのハードルを下げます。
交流を「仕組み化」する: 善意や個人の努力に頼るのではなく、自然と交流が生まれる仕組みを導入します。
メンター(バディ)制度: 新しく入社した外国人社員一人に対し、年の近い日本人社員を「バディ」として任命します。業務の相談はもちろん、ランチを共にしたり、日本の生活のちょっとした疑問に答えたりする中で、公私にわたる深い信頼関係が生まれます。
サンクスカード・ピアボーナス: 国籍に関係なく、仲間に感謝の気持ちを伝え合う文化を醸成します。「〇〇さん、この間のヘルプ、本当に助かりました!」といったポジティブなやり取りが、心の距離を縮めます。
「共通の体験」を創出する: 同じ目標に向かって協力したり、一緒に楽しんだりする経験は、国籍を超えた一体感を生み出す最強の特効薬です。
多国籍プロジェクトチーム: 業務改善提案や、季節のイベント企画(クリスマス、ハロウィンなど)を、国籍が混ざったチームで担当させます。協力して何かを成し遂げる成功体験が、チームの絆を強固にします。
国際交流ランチ会: 会社主催で、定期的に国籍ミックスのグループでランチ会を開催します。「お互いの国の『ソウルフード』を紹介する」といったテーマを設けると、会話が自然と弾みます。
こうすれば解決できる!異文化共生チームを作るための組織施策
以下の表は、組織全体で「見えない溝」を埋めるための具体的な施策をまとめたものです。
施策の種類 | 具体的なアクションプラン | 期待される効果 | 担当部署/担当者 |
① 教育・研修 | ・全社員(特に管理職)向けの異文化理解研修を年1回実施。 ・日本人社員向けの**「やさしい日本語」**ワークショップを開催。 | ・固定観念や偏見の解消。 ・コミュニケーションの質の向上。 | 人事部 |
② コミュニケーションの仕組み化 | ・メンター(バディ)制度を導入し、運用マニュアルを整備。 ・社内報やチャットツールで、各国の文化や新入社員の自己紹介(趣味、特技など)を発信するコーナーを設ける。 | ・新入社員の早期定着と孤立防止。 ・お互いの人となりを知るきっかけ作り。 | 人事部各部署のマネージャー |
③ イベント・交流 | ・3ヶ月に1度、会社負担で**「国際交流ランチ」を開催。・ホテルの繁忙期後に、国籍問わず参加できる「お疲れ様会」**を実施。 ・地域の清掃活動などに、チームで参加する。 | ・業務外での自然なコミュニケーションの促進。 ・チームとしての一体感の醸成。 | 人事部イベント企画委員会 |
④ 評価・制度 | ・多国籍チームでの**プロジェクト成功事例**を社内で共有し、表彰する。 ・人事評価項目に「ダイバーシティへの貢献」といった視点を加えることを検討する。 | ・異文化共生への取り組みを「特別なこと」ではなく「当たり前の良いこと」として組織に根付かせる。 | 人事部経営層 |
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