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【指示が通じない!】丁寧な言葉遣いが「遠回し」と捉えられ、業務指示が正確に伝わらない…

「こんな困りごとありますよね。良かれと思って『この件、時間があるときにお願いできるかな?』と丁寧に依頼したのに、一向にやってもらえない。『〇〇しておいてくれると助かるんだけど』という日本の職場特有の言い方が、相手には『任意のお願い』、つまり『やらなくてもいい依頼』と受け取られてしまう。日本的な“察する文化”が通用せず、業務が滞ってしまい困惑する。」

このすれ違いは、日本語の能力の問題ではなく、**コミュニケーションのスタイルの違い、すなわち「文化の壁」**が原因です。私たちは、言葉そのものだけでなく、文脈や表情、場の雰囲気といった「言葉以外」の情報も駆使して意図を伝える「ハイコンテクスト文化」に慣れ親しんでいます。一方、世界の多くの国々は、言葉で明確に、論理的に伝えることを重視する「ローコンテクスト文化」が主流です。「言わなくても分かる」は通用しないと心得て、明確で具体的なコミュニケーションに切り替えることが、解決への第一歩です。


効果的な解決方法


外国人スタッフに業務指示を正確に伝えるには、「親切さ」の示し方を変える必要があります。「曖昧さ」を「丁寧さ」と履き違えず、以下の3つのポイントを意識しましょう。

  1. 指示は「5W1H」で具体的に: 誰が読んでも、聞いても一通りにしか解釈できないレベルまで具体的に指示を出します。「あれ、やっといて」は論外です。**「①Who(誰が)②When(いつまでに)③Where(どこで)④What(何を)⑤Why(なぜ)⑥How(どのように)」**を明確に伝えましょう。特に「Why(なぜ、この仕事が必要なのか)」を伝えることで、相手の納得感とモチベーションが高まります。

  2. 肯定形・命令形で、結論から話す: 「〜していただけると有り難いのですが…」といった遠回しな依頼は避け、「〜してください」とはっきり伝えましょう。これは決して冷たい命令ではなく、ローコンテクスト文化においては、分かりやすく、誤解のない「親切な伝え方」です。まず結論(やってほしいこと)を先に伝え、その後に理由や詳細を説明する構成が効果的です。

  3. 指示後の「確認」を徹底する: 指示の最後に「分かりましたか?」と聞くと、多くの人は分かっていなくても「はい」と答えてしまいます。そうではなく、**「今お願いしたことを、あなたの言葉で説明してもらえますか?」**と復唱を促す(リフレクション)ことで、本当に理解できているかを確認できます。これは相手の能力を疑っているのではなく、認識のズレをなくすための重要なプロセスです。


こうすれば解決できる!NG指示→OK指示 言い換えドリル


以下の表は、日本人が無意識に使いがちな曖昧な指示を、誰にでも伝わる具体的な指示に言い換えるためのドリルです。

よくある場面

日本的な曖昧な指示(NG例)

誤解の可能性・なぜダメか

明確な指示(OK例)

① 仕事を依頼する時

「これ、手が空いた時でいいから、よろしくね。」

・優先順位が低い、またはやらなくてもいい仕事だと思われる。 ・「手が空いた時」が永遠に来ない。

「〇〇さん、この資料を3部コピーしてください。今日の15時までに、私の机の上に置いてください。」

② 締め切りを伝えたい時

「なるべく早くお願いね。(ASAPで!)」

・「なる早」の基準が人によって全く違う(1時間後?今日中?今週中?)。 ・具体的な期限がないため、後回しにされてしまう。

「このレポートの提出期限は、7月11日(金)の午前10時です。もし間に合わない場合は、前日の夕方までに相談してください。」

③ 改善を促したい時

「もうちょっと、丁寧にやった方がいいかもしれないね。」

・何が、どのように、どのくらい丁寧ではないのかが分からない。 ・個人の感想と捉えられ、改善行動に繋がらない。

「この報告書の数字が間違っていました。次回から、提出前に必ずダブルチェックをしてください。チェックリストを使いましょう。」

④ 肯定的なフィードバック

「うん、いい感じだね。」

・何が良かったのか具体的に分からないため、再現性がない。 ・社交辞令だと思われ、本人の自信に繋がらない。

「先ほどのお客様対応、笑顔とアイコンタクトが素晴らしかったです。お客様も喜んでいました。その調子でお願いします。」

⑤ 相談を促す時

「何かあったら、いつでも言ってね。」

・「何か」の基準が分からず、本当に困るまで相談しにくい。 ・遠慮してしまい、問題が大きくなるまで抱え込んでしまう。

「毎週水曜の14時から15分、進捗確認の時間を取ります。そこで困っていることや質問があれば、何でも話してください。」


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