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【密かに入管の取締が強化】シリーズ(全4部)第4部:鉄壁の防衛策6選


あなたの会社は大丈夫?明日から実践できる、鉄壁の防衛策


これまでのシリーズで、罰則の強化、労働局の役割変容、そして予測不能な発覚経路など、不法就労を取り巻くリスクがいかに増大したかを見てきました。最終回となるこの第4部では、これらの複合的なリスクから会社を、そして経営者自身を守るための、今すぐ実践できる具体的な行動計画を提案します。


あなたの会社の弱点は?5つのリスクをチェック


まず、自社にどのようなリスクが潜んでいるかを把握しましょう。

  • 採用時のリスク: 在留カードの目視確認だけで済ませていませんか?精巧な偽造カードを見抜くのは困難です [8]。

  • 取引先のリスク: 人材派遣会社や業務委託先の管理体制は万全ですか?取引先の違反が、自社に飛び火する可能性があります 。

  • 業務管理のリスク: 留学生の勤務時間(週28時間)を正確に管理していますか ?資格で認められた範囲外の仕事(単純作業など)をさせていませんか ?

  • 偶発的リスク: 従業員のプライベートな行動が、会社のリスクに直結することを認識していますか ?

  • 経営者のリスク: 「現場に任せている」で済ませていませんか?不法就労は、今や経営トップが責任を問われる問題です 。


会社を守るための6つのアクションプラン


これらのリスクに対応するため、以下の6つの対策を強く推奨します。

  1. 【必須】在留カードの「アプリ+ウェブ」での二重チェック: 目視確認は危険です。採用担当者全員に、出入国在留管理庁の無料アプリ「在留カード等読取アプリケーション」の使用を義務付けてください。ICチップ情報を読み取り、カードの真贋を確認できます 。さらに、読み取った番号を、入管庁サイトの「在留カード等番号失効情報照会」でチェックするプロセスも加え、二重の防御壁を築きましょう。

  2. 【監査】取引先(人材派遣会社など)の厳格なチェック: 人材派遣会社などを使う際は、事業許可証の確認はもちろん、過去に行政処分を受けていないかを必ず確認しましょう [17, 9]。契約書には、万が一問題が発生した場合の損害(罰金、弁護士費用など)を、相手方が全額補償する条項を盛り込むべきです。

  3. 【監視】抜き打ちでの社内監査の実施: 人事部やコンプライアンス部門が、定期的に、かつ抜き打ちで外国人従業員の雇用状況を監査する体制を作りましょう。監査対象には、人事ファイルに保管された在留カードのコピー、留学生の勤務時間記録、そして特定の在留資格を持つ従業員の実際の業務内容が含まれるべきです。これにより、会社として主体的に監督責任を果たしていることを証明でき、万一の際の「組織的な過失はなかった」という重要な証拠になります [18]。

  4. 【教育】現場管理職への「ケーススタディ」研修: 研修対象を人事担当者だけでなく、外国人従業員を部下に持つすべての現場管理職に広げてください。「エンジニア資格の社員に、工場のライン作業を手伝わせたらアウト」といった具体的な事例を使い、現場のリーダーが日常業務に潜むリスクを自分事として理解できるようにすることが重要です 。

  5. 【準備】問題発覚時の「危機対応マニュアル」の策定: 社内で不法就労の疑いが発覚した際に、誰が、何を、どう動くかを定めたマニュアルを事前に準備しておきましょう。これには、①就労の即時停止、②顧問弁護士への速やかな連絡、③当局への報告の判断、といった初期対応のステップを含めるべきです。また、従業員本人に自主的な出頭を促す「出国命令制度」の活用についても検討しておくとよいでしょう 。

  6. 【経営】取締役会への定期報告: 外国人雇用のコンプライアンス状況を、取締役会の定期報告事項としましょう。これにより、この問題が単なる人事マターではなく、全社的な経営課題であることを内外に示せます。経営トップが直接関与する姿勢は、当局が企業のガバナンスを評価する上で、非常に重要な要素となります 。


まとめ


2024年、外国人雇用を取り巻く環境は、静かに、しかし劇的に変わりました。罰則は企業の存続を脅かすレベルにまで引き上げられ、労働局は取締りの最前線に立ち、発覚経路は予測不能なほど多様化しています。

もはや、「知らなかった」「担当者に任せていた」では済まされません。受動的なコンプライアンスの時代は終わり、経営者自らが能動的にリスクを管理する時代が来たのです。

この変化を「脅威」と見るか、あるいは、より公正で持続可能な労働環境を築き、グローバル人材から選ばれる企業へと進化する「好機」と捉えるか。企業の未来は、その判断にかかっています。

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