「聞いてないよ!」を防ぐ。外国人にも伝わる”報連相”の新しいカタチ
- takeshi kawamoto
- 7月18日
- 読了時間: 3分
① このようなことで困ったことはありませんか?
「業務でトラブルがあったのに、すぐに報告してくれず事態が悪化してしまった」「進捗を聞くまで何も言ってこないので、仕事が進んでいるのか不安になる」。日本のビジネスシーンでは常識とされる「報告・連絡・相談(報連相)」ですが、この習慣がなく、大きなトラブルに発展してしまった経験はありませんか。これは、外国人社員の能力や意欲の問題ではなく、文化的な背景の違いから生じる典型的なコミュニケーション・ギャップです。このすれ違いを放置すると、業務の非効率化だけでなく、人間関係の悪化にもつながりかねません 。
② このような事が原因かも?
原因は、仕事の進め方に関する文化的な価値観の違いにあります。多くの国では、個々の担当者に与えられた裁量が大きく、「任された仕事は、問題が発生しない限り自分の責任で完結させるのがプロフェッショナル」という考え方が主流です。そのため、逐一進捗を報告したり、細かく相談したりすることは、「上司の時間を奪う行為」あるいは「自分の能力の低さを示す行為」と捉えられてしまうことさえあります 。一方、日本ではプロセスを共有し、関係者間の認識を常に合わせておくことが重視されます。この「仕事の進め方」に関する暗黙の前提が、外国人社員にとっての「良かれと思って」の行動と、日本の上司が期待する行動との間にズレを生じさせているのです 。
③ その解決方法とは
解決策は、「報連相」を暗黙のルールから、明確な「業務プロセス」へと変えることです。
まず、オンボーディング(入社時研修)の段階で、「なぜ報連相が必要なのか」という背景から説明することが重要です。例えば、「日本ではチーム全体で情報を共有し、リスクを早期に発見することで、結果的に大きな手戻りを防ぎ、全員が効率的に働けるようにするためです」といった具体的な理由を伝えます。
その上で、「いつ・誰に・何を・どのように」報告・連絡・相談するのかを具体的にルール化し、マニュアルに明記しましょう。例えば、「プロジェクトの進捗は、毎週金曜日の夕方に定例メールで報告する」「自分で判断に迷うことがあれば、30分以上悩まずにメンターの〇〇さんに相談する」といった具体的な行動レベルまで落とし込むことが効果的です。また、報告しやすい雰囲気を作るために、朝礼や日報、チャットツールなどを活用し、気軽に情報共有できる仕組みを整えることも有効です 。
④ 原因と解決策のまとめ
原因 | 解決策 |
1. 「報連相」が日本の特殊な文化だと認識されていない | 1. なぜ報連相が必要なのか、その目的とメリットを背景から丁寧に説明する |
2. 報告・相談のタイミングや方法が分からない | 2. 「いつ・誰に・何を」報告するかを具体的にルール化し、マニュアルに記載する |
3. 細かい報告は上司の邪魔になると考えている | 3. チャットツールや日報など、気軽に報告できる心理的安全性の高い仕組みを導入する |
4. 問題を自分で解決しようとして抱え込んでしまう | 4. 「早めの相談はチームへの貢献である」というポジティブなメッセージを伝え続ける |
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