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【第1回】大丈夫!?ハローワークから外国人雇用についてヒアリングをしたいと言われたら要注意!甘く見ると、とんでもないことに…

「近々、外国人労働者の雇用管理状況について、ハローワークからヒアリング調査に伺いたいのですが…」

ある日、あなたの会社にこんな一本の電話がかかってきたら、あなたはどう感じますか?

「はいはい、よくある手続きの確認ですね」と軽く考えてはいませんか?

もし、そう思っているなら、その認識は今すぐ改める必要があります。ハローワークによるこのヒアリング調査は、単なる形式的な手続きではありません。甘く見ていると、会社の信頼を揺るがしかねない、非常に重要な調査なのです。

なぜなら、この調査は出入国在留管理庁(入管庁)と密に情報連携されており、ここでの受け答え一つで、今後の外国人雇用に大きな影響を及ぼす可能性があるからです。

この記事では、複数回にわたり、ハローワークのヒアリング調査で実際にチェックされる項目と、担当者が用意しておくべきこと、そして特に注意すべき「ひっかけ質問」への対策を徹底的に解説していきます。

第1回は、調査の根幹ともいえる「雇用状況の届出」「募集採用ルート」「労働条件」の3つのポイントです。


チェック項目①:雇用状況の届出は正確ですか?


まず最初に確認されるのが、外国人労働者の雇用状況の届出です。これは、事業主が外国人労働者を雇用した際、または離職した際にハローワークへ届け出る義務があるものです。

  • なぜチェックされるのか? ハローワークは、入管庁とシステム連携しています。つまり、「誰が」「どの在留資格で」「いつ日本に入国したか」という情報をすでに入管庁から入手しているのです。その上で、会社が届け出ている情報と、ハローワークが把握している情報に齟齬がないか、正確な突合が行われます。

  • 何を準備すべきか?

    • ハローワークに届け出た「外国人雇用状況届出書」の控え

    • 社内で管理している外国人従業員の名簿(在留資格、在留期間、氏名、国籍などが一覧でわかるもの)

ここで情報にズレがあったり、届出自体を忘れていたりすると、いきなり心証を悪くしてしまいます。調査の連絡があったら、まずは自社の届出状況を正確に再確認することから始めましょう。


チェック項目②:採用ルートはクリーンですか?


次に聞かれるのが、外国人従業員を「どのようなルートで採用したか」です。

  • 調査の目的は? この質問の裏には、不法な手数料などを徴収する悪質な人材紹介会社やブローカーを排除するという明確な目的があります。近年、外国人労働者から高額な費用をだまし取る悪徳業者が問題視されており、行政もその情報収集に力を入れています。

  • どう答えるべきか?

    • ハローワークや公的な紹介機関を利用した

    • 信頼できる民間の有料職業紹介会社を利用した(その会社名や手数料体系も説明できるように)

    • 自社のホームページや求人媒体で直接募集した

    • 社員からの紹介(リファラル採用)

採用ルートの透明性を、自信をもって説明できるように準備しておきましょう。もし答えに詰まったり、曖昧な説明をしたりすると、「何か隠しているのではないか?」と疑念を抱かれる原因になります。


チェック項目③:労働条件は「差別なく」「適法」ですか?


この項目は、今回の調査の中でも特に重要なポイントの一つです。担当者は、労働基準法や入管法に関する深い知識をもって質問してきます。

  • 何を確認されるのか?

    1. 国籍を理由とした差別的取扱いの有無:日本人従業員と比較して、賃金や労働時間、福利厚生などで不当な差をつけていないか。

    2. 労働条件の適法性:最低賃金を下回っていないか、違法な長時間労働をさせていないかなど、労働関係法令が遵守されているか。

    3. 在留資格の範囲内での活動か:雇用契約書通りの業務内容か、そしてその業務が在留資格で許可された活動範囲内であるか。

これらの基本的な確認に加え、担当者は非常に巧妙な「ひっかけ質問」をしてくることがあります。

【要注意!ひっかけ質問の例】 「御社では、いわゆる単純労働が疑われるような業務をされている外国人の方はいらっしゃいますか?」

この質問に「はい、いますよ」と安易に答えてはいけません。

「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格では、原則として単純労働に従事することは認められていません。この質問は、在留資格の活動範囲を逸脱した就労(資格外活動)がないかを確認するための、意図的な質問です。

  • 対策は? 「単純労働」という言葉に反応するのではなく、「当社の○○という在留資格の従業員は、○○という専門知識を活かして、△△という業務を担当しています」というように、具体的な業務内容とその業務が在留資格の範囲内であることを論理的に説明できるようにしておく必要があります。そのためには、日頃から一人ひとりの従業員の業務内容と在留資格の関連性を正確に把握しておくことが不可欠です。


まとめ:ヒアリングは準備が9割


今回は、ハローワークのヒアリング調査における最初の3つの重要項目について解説しました。

  1. 雇用状況の届出:入管庁と情報連携されている。正確な情報を再確認!

  2. 募集採用ルート:悪質業者排除が目的。透明性のある説明を!

  3. 労働条件:差別・違法性だけでなく、在留資格の範囲内の業務かが鍵。「単純労働」のひっかけ質問に要注意!

たった1時間のヒアリングですが、その背後には入管庁との連携があり、準備を怠れば会社の管理体制そのものを疑われることになりかねません。

次回は、**「④安全衛生」「⑤社会保険の加入」「⑥人事管理・生活支援」**といった、より具体的な労務管理・サポート体制に関するチェック項目を詳しく解説していきます。

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