【2026年法改正】そのビザ申請モデルは違法?登録支援機関が知るべき「報酬・キックバック」の境界線
- takeshi kawamoto
- 2025年12月23日
- 読了時間: 5分
特定技能制度の拡大に伴い、多くの企業様から「ビザ申請の手続き」に関するご相談をいただきます。特に最近増えているのが、登録支援機関(RSO)と行政書士の間での「お金と業務の流れ」に関する適法性の確認です。
結論から申し上げますと、2026年(令和8年)1月1日に施行される「改正行政書士法」により、これまで業界で慣習的に行われていた多くのスキームが「明確な違法(行政書士法違反)」となります。
「知らなかった」では済まされない、企業の存続に関わる重大なリスクについて、専門家の視点で分かりやすく解説します。
1. なぜ今、「行政書士法改正」が騒がれているのか?
これまでの法律でも、行政書士資格を持たない人が報酬を得てビザ申請書類を作成することは禁止されていました。しかし、一部では以下のような「抜け道(グレーゾーン)」が横行していました。
「書類作成費は無料です。その代わり、月額支援費を少し高めに設定しています」
「ビザ申請代行費ではなく、事務手数料やコンサル料として頂いています」
しかし、2026年の法改正により、第19条に以下の強烈な一文が追加されます。
「いかなる名目によるかを問わず」
これにより、「名目を変えればOK」「セット料金ならOK」という言い訳は一切通用しなくなります。実質的に書類作成の対価が含まれていれば、即・違法となります。さらに、違反した担当者だけでなく法人(会社)も処罰される「両罰規定」が強化されます。
2. その契約は大丈夫? 4つの「危険なスキーム」
以下の4つのパターンのいずれかに該当する場合、貴社および取引先は深刻な法的リスクを負っています。
【危険度:大】① 上乗せ請求(中抜き)スキーム
内容: 登録支援機関が、行政書士への報酬(例:10万円)に自社の利益(例:5万円)を上乗せして、企業に15万円を請求する。
判定: 違法(無資格者の業務遂行)
理由: 登録支援機関が「業として」ビザ申請を請け負い、利益を得ているためです。実際に手を動かしたのが行政書士であっても、契約の主体となって利益を得る行為自体がアウトです。
【危険度:大】② 無償・抱き合わせ(コミコミ)スキーム
内容: 「月額の支援委託費を頂いているので、ビザ更新手続きはサービス(0円)でやります」というケース。
判定: 違法(実質的報酬受領)の可能性大
理由: 改正法の「いかなる名目によるかを問わず」により、月額支援費の中に書類作成の対価が含まれている(抱き合わせ販売)とみなされます。
【危険度:中】③ 請求窓口・立替払いスキーム
内容: 登録支援機関が窓口となり、行政書士報酬を一旦立て替え、同額を企業に請求する(利益の上乗せはなし)。
判定: 極めてグレー(名義貸しのリスク)
理由: 利益がなくても、行政書士が企業と直接やり取りせず、登録支援機関の指示で動いている場合、行政書士法第13条の**「名義貸し」**とみなされるリスクがあります。行政書士が企業や外国人と面談をしていない場合は、ほぼクロです。
【危険度:特大】④ キックバック(紹介料)スキーム
内容: 行政書士が企業から正規の報酬を貰う裏で、登録支援機関に「紹介料(1件〇万円)」を支払う。
判定: 明確に違法(不当誘致)
理由: 2024年4月に施行された「行政書士職務基本規則」で、紹介料(金品)の授受は明確に禁止されました。これを受け取った登録支援機関側も、違法行為の共犯や教唆(そそのかし)を問われる可能性があります。
3. 依頼した企業側にも「逮捕・書類送検」のリスクが?
「違法なのは業者であって、依頼したウチの会社は関係ないですよね?」 そう思われる経営者様も多いですが、それは大きな間違いです。
不法就労助長罪(入管法違反) 無資格者が作成した書類にミスや虚偽があり、結果として不法就労状態になった場合、雇用主である企業は**「3年以下の懲役 または 300万円以下の罰金」**に問われます。「知らなかった」は通用しません。
特定技能の受入れ停止 入管法違反となれば、その後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなります。人手不足の企業にとっては致命傷です。
社会的信用の失墜 違法業者を利用していた事実が公になれば、コンプライアンス違反企業として銀行取引や大手との取引に影響が出ます。
4. 2026年に向けた「正しい契約」の形
リスクをゼロにする唯一の方法は、**「カネと契約の完全分離」**です。
登録支援機関との契約: 「支援委託契約」のみ。支援費(月額〇円)のみを支払う。ビザ申請に関する項目は一切入れない。
行政書士との契約: 「行政書士業務委任契約」を企業と行政書士で直接結ぶ。
お金の流れ:
【パターン1】
報酬は、企業から行政書士の口座へ直接振り込む。
【パターン2】(リスクは少しは残る)
行政書士が登録支援機関から依頼を受ける企業ごとの明細を作成し、企業ごとの請求書を作成
請求書を登録支援機関に送付
登録支援機関が受入企業に対して「立替金」として請求
登録支援機関を経由させない。紹介料も払わない・貰わない。これが改正法に対応した唯一のホワイトな運用です。
まとめ
2026年の法改正は、これまでの「なあなあ」な関係を一掃するためのものです。 「便利だから」「安いから」といって違法スキームを使い続けることは、企業の将来を危険にさらす行為です。
今のうちに、登録支援機関や行政書士との契約書を見直し、**「直接契約・直接請求」**へ切り替えることを強くお勧めします。
HR BRIDGEでは、コンプライアンスを遵守した適正なビザ申請サポートを行っております。
契約形態のご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

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